ライフキネティックとは?ドイツ発祥の脳を活性化させる注目のトレーニングについて解説!

ライフキネティックとは?ドイツ発祥の脳を活性化させる注目のトレーニングについて解説!

「ライフキネティック」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。あまり聞きなれない人も多いことでしょうが、ライフキネティックはドイツ発祥のトレーニング方法で、簡単な動きで脳機能を活性化させるためのトレーニングとして、近年注目を集めている方法です。子どもから大人まで幅広い年齢の人が、健全な脳機能を保つためにその力が期待されています。

今回はライフキネティックとはなにか、その効果やメリットにも触れながら詳しく解説していきます。

ライフキネティックとは

ライフキネティックという言葉は、日本ではまだまだ一般的とはいえないことでしょう。しかし近年、この言葉が運動指導の場面で注目を集めています。

ライフキネティックとは、簡単にいうならば「簡単かつだれでもできるような運動によって、身体機能だけでなく脳機能も活発にしてしまおう」というメソッドです。ドイツの運動指導者であるホルスト・ルッツが独自に開発し、研究を重ねた非常に画期的なトレーニング方法であります。これによるさまざまな効果が、ケルン大学等の研究によっても実証されつつあるのです。

ライフキネティックの目的は、筋肉や骨格等の身体機能よりも、脳に対して刺激を与えることを第一の目標としたトレーニングであることが特徴です。普通のトレーニングとは、その目的自体が大きく異なっています。それでいてだれでも楽に、楽しく行えることを第一にして開発されてきた手法は、どれもがとっつきやすい方法でありながらも画期的です。

ライフキネティックは脳機能を高め、神経伝達機能も向上させる効果が、さまざまな機関によって実証されつつあります。頭脳労働がメインとなっている現代社会において、その役割が大きく期待されているのです。

ライフキネティックの仕組みと理論

ライフキネティックの根本には、開発者ホルスト・ルッツがドイツのプロサッカーチームで、アスレチックトレーナーを務めていた経験が活かされています。

ホルスト・ルッツは、単に運動機能を高めることが選手たちのパフォーマンスにつながる、といった考えだけに囚われてはいませんでした。運動機能や身体機能は脳機能の向上と共に発達し、またそこに視覚機能・認知機能の強化が組みあわさることで、最大限のポテンシャルアップにつながると考えました。

そのためトレーナー時代から最先端の脳科学や視覚機能測定法といった概念を取り入れ、それを機能解剖学と組みあわせるアイディアを実践していたのです。これがのちの、ライフキネティックにつながっていきます。

ライフキネティックの効果とメリット

小難しい説明が続きましたが、ここからは具体的にどういう効果があるのかを解説していきましょう。

私たちの脳は多くの脳細胞、神経細胞が連なっています。それらがうまく信号を出しあい、連携を取ることによって機能性を保っているのです。ライフキネティックにより継続的に脳に刺激を与えることでなにが変わるのかというと、この神経細胞が活性化する・あるいはほころびが解けるように、効率的に動くようになることが第一です。こうした効果によって、脳のこれまでうまく使われてこられなかった機能が働くようになります。いわゆる「眠っていた力が目覚める」ような効果が、生まれることが期待できるのです。

ライフキネティックは、「ライフ」という名の通りさまざまな立場・年齢、性別・場面に応じて多様な効果が期待できます。たとえばアスリートの場合は競技パフォーマンスや空間認識能力・動体視力、バランス感覚・判断能力など、さまざまな競技に必要となる能力のステータスアップにつながります。

高齢者の場合は認知機能の向上でボケ防止にもなり、記憶力が向上する・病状が悪化しにくくなるなど、より健康に長く生きるための能力が身につくのです。子どもの場合は学習能力や創造力・集中力、記憶力・活発性といった勉学や人格成長に必要な能力が養われることが期待できます。現役世代のビジネスパーソンも、クリエイティビティの向上や注意力・判断力向上、問題解決能力向上などビジネスシーンでも大いに役立つ効果が期待できるのです。

ライフキネティックの具体的なトレーニング方法

それではライフキネティックとは、具体的にどのようなトレーニングを行うものなのでしょうか。

ライフキネティックは、身体を動かす点では通常のトレーニングと同じですが、筋力トレーニングや加圧トレーニングとはまったく違う内容で行います。なんといっても大きな違いはボディ・コントロールに加えて、視覚機能・認知機能に着眼点を置いたトレーニングをすることです。

具体的な内容としては、たとえば前後左右に動く運動を行うとします。最初はトレーナーの指示通りの方向に移動することを繰り返します。そこから次第に、トレーナーの指示した方向と逆の方向に移動するように指示されるのです。または方向ごとに決められた色や数字や記号といったものをいわれたら、指定の方向に移動するなどを繰り返します。

つまりは異なる行動・思考を両立させるトレーニングを行うのです。脳トレでよく行われる、自身の両手でじゃんけんをして、一方の手でもう一方の手に勝つ手を出し続けるようなものです。またお手玉を左右の手にもち、手をクロスさせて逆の手で受けるといった練習も行います。

こうしたトレーニングは単純で簡単そうにみえますが、数度ならできても十数回繰り返すとなると、思いのほか難しいものです。次第に感覚が掴めなくなって、ミスが増えていきます。まずは自身の脳機能の限界を知り、それをトレーニングによって強化していく感じです。これがライフキネティック独特のトレーニング方法です。

まとめ

今回はライフキネティックとはなにかについて、定義と仕組み・内容と効果を解説していきました。ライフキネティックは、単純に身体機能を追い込むトレーニングではありません。そのため人によっては、物足りなさを感じる可能性はあります。

しかしフィジカルは本来脳機能、視覚機能・認知機能と連携させてこそ、最大限の効果を発揮するものであります。やってみると、意外に難しく感じることでしょう。そして徐々にできるようになっていくと、非常に楽になり、なによりも楽しく感じられてくることでしょう。

ご興味をおもちであれば、ぜひとも「Learn and Grow Sports Club」にご相談ください。