子どもの習い事は社会性の育成に役立つ?習い事など学校や家庭以外の場所を設ける必要性、メリットについて解説!

子どもの習い事は社会性の育成に役立つ?習い事など学校や家庭以外の場所を設ける必要性、メリットについて解説!

子どもに習い事をさせているという親は、多いことでしょう。各種スポーツ・剣道や空手などの武道や、楽器や絵画などの芸術など、習い事にはさまざまなものがあります。しかしそうした習い事は技能の習得や体力の向上以外にも、「社会性を育てる」という役割も大きくあるのです。今回は習い事を行うことによって、学校や家庭以外の居場所を作ることの必要性やメリットについて解説していきます。

子どもの「社会性」をしっかり育てることが必要

子どもの成長には、「社会性をいかに身に着けるか」が非常に大きく関係してくることに、まず思い至るのではないでしょうか。子どものころ、とくに幼少期は家庭しか居場所を知りません。そこから幼稚園や保育園に通い小学校へ進学し、中学校・高校・大学と、成長するにつれてより広い世界に触れることになるからです。

社会性とは相手と「話す」「聞く」、相手に「従う」、相手を「尊重する」といった、他人とうまくやっていくための基本的な能力のことを指していわれることが多くなっています。社会性の多くは、幼稚園や学校で養われると考えている大人の方も、多いのではないでしょうか。

とくに小学校以降の学校の存在意義は、「集団生活を学ばせる」ところが大きくなっています。小学校以降では決められた時間に通い勉強をはじめ、給食や休み時間・学校行事などの勉強以外の活動においても、クラスメイトや教師にあわせて行動する必要があります。

そして学校生活を送った後就職して会社勤めをするにも、ほとんどの場合は組織と社会を常に意識しながら、集団で仕事に取り組むことが普通です。そのため子どもには早い時期から「社会性」を学ばせておくと、子ども自身も社会との軋轢に苦しむことはぐっと少なくなることでしょう。

社会性が育ち始める年齢は5~6歳頃から

社会性が明確に意識され、必要になってくる年齢はおおむね5歳~6歳ごろといわれています。

他人と関わっていくにあたって、不都合がないように生きていく。そのためには、「してはいけないこと」をしっかりと学び自制させる、「やるべきこと」を意識させて外へ意識を向かわせるといった、根本的かつ社会的なルールや目標を与えてあげることが求められるのです。やりたいことしかやらない、好き放題自分の機嫌で周りを振り回すなども幼少期では普通ですが、小学校以降の集団生活ではそうしたことは許されません。

基本的なしつけをしないと、家庭内の問題にもつながります。しっかり行うとしても、内容を徐々に外向きのもの・どこへ出しても恥ずかしくないようなものに、徐々に変えていく必要があります。家庭内と社会は別であること、公共の場でのふるまい方を意識させること(大声をあげて騒ぐと人の迷惑になるなど)によって、社会性は磨かれていくのです。

社会性が明確に必要になってくるのは小学校以降なので、就学の2年前~1年前ごろから徐々に親からも教えるようにするとよいでしょう。

学校や家庭以外の場所「サードプレイス」があると尚良い

「サードプレイス」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。サードプレイスとは、家庭など生活の中心となる場所「ファーストプレイス」とも、学校や職場など生活の大半を集団で過ごし学習や経済活動を行う場所「セカンドプレイス」とも違います。文字通り、「第3の場所」を意味する言葉です。

サードプレイスは義務あるいは必要性といったものに縛られることなく、自身が心地よいと思って所属する場所をいいます。家庭や学校や職場といった場所は、義務や必要性といった概念が根底にあります。それゆえに生活の中心となることから、長く生活していることによる安心感と同時に、しがらみなども生まれてくるのです。また特定の場所に依存することで、ファースト・セカンドプレイスに敷かれたルールに縛られて、行動や考え方に制限が生まれてきてしまいます。

こうした制限を解消してくれるのが、サードプレイスです。ファーストプレイス・セカンドプレイスが根本に構成されがちな社会で、ストレスをうまく解消していくには、こうしたサードプレイスの存在が非常に重要になってくるのです。

「サードプレイス」を習い事によって獲得するメリット

サードプレイスは、大人の場合では趣味の集まりやサークル活動などがあげられます。しかし子どもの場合は社会がまだまだ狭いので、そうした場所を自由に得ることはあまりできません。多くの場合、親の支援による「習い事」によってそれを獲得します。水泳やピアノ・英会話教室のような子どものころの習い事は、サードプレイスを得るという意義も大きくなっているのです。

習い事は同じ学校の子どももいれば、違う学校の子どもや年上・年下といった、違う年齢の子どもも集まる場所です。そうした場所で育った環境の違う子どもと、同じ共通の習い事を行うことで得られるメリットの第一は、「やっていることは同じなのに、まったく違う考え方を得られること」といえるでしょう。

多くの場合習い事は、学校教育のような義務感はないため縛りをあまり設けていません。しかしとくに子どもに対してはざっくりと同じ課題を与えて、その課題がこなせるようになるまで指導するといった形式をとります。縛りはないけれど、同じようなことをみんなでやらせることは、非常に大きな意味があるのです。

育った環境も違えば、通っている学校も違う異質な子どもたちが同じ場所で、ある程度同じ目標に向かって努力を重ねていきます。そうするとまったく違った出自をもった複数の子どもが、共通の話題をもてるのです。そうした環境で仲よくなった友達は、同じ学校の同級生と違って、普段生活している場所はまったく違う場所です。

特定の学校やコミュニティに縛られない関係性というのは、子どもたちにまったく異なる価値観を与えてくれます。生活レベルも環境も違う友達との会話は、子どもに新鮮な驚きと刺激を与えてくれることでしょう。また偏った価値観や行動心理に惑わされることなく、所属している学校や家庭にはない価値観が、多様性をはぐくんでくれます。

そうした多様な価値観を身につけることで、学校や家庭でいかにトラブルを抱えてしまっても、自分の居場所があるという実感が湧きます。それが社会生活の大きな糧になるのです。また習い事で得た知識や技能が、本来の生活場所である学校や家庭にも大きな個性や能力として活かせるという、良循環を与えてくれることも大きいことでしょう。

まとめ

今回は習い事というサードプレイスから得られる社会性の必要性やメリットについて、一通り解説してきました。学校や家庭といった義務や必要性が大きい場所でトラブルを抱えてしまうと、子どもの逃げ場がなくなってしまいます。追い詰められた子どもは、社会生活を営むことも難しくなるかもしれません。人生には「ガス抜き」が必要であり、そうした場所としても社会性や技能を育てる場所としても、サードプレイスとしての習い事は非常に重要といえるのです。

「Learn and Grow Sports Club」は、そんなサードプレイスになりたいという思いを持って活動を行っています。